PS4_神田川JET GIRLS(神田川ジェットガールズ) クリア後感想・レビュー

こんばんは。

 

今回はPS4のゲームソフト「神田川JET GIRLS」(神田川ジェットガールズ?)の感想・レビューをしていきます。

 

〇ゲームの概要

2020年1月16日にPS4で発売されたゲーム。発売はマーベラスでプロデューサーは閃乱カグラ等々を手掛けた高木謙一郎、キャラ原案は鳴子ハナハル。このコンテンツはメディアミックスプロジェクトなでありゲームはその作品群の一部。アニメも2019年秋に放映していた。内容としては、女の子が「ジェットレース」と呼ばれる2人1組で搭乗する水上レースマシン同士による、攻撃ありの水上レースをする。

 

〇感想

ゲームをプレイする前にアニメを見たけども正直微妙だった上に、ソニーのエロ規制のせいでどの程度ゲーム内容が制限されるのか不安になりつつもゲームを購入しました。(ちなみにアニメの監督は聖痕のクェイサー・マケン姫っなどで監督を務めた金子ひらく。あと同日発売に龍が如く7とドラゴンボールの面白そうな新作があったので売上的にも不安でした。)実際、上記の不安は当たらずとも遠からずでした。。。。

 

感想を一言にまとめると、「エロを失ったエロキャラゲー」。クソおもんないかと言われるとそうでもない、でも圧倒的に何かが足りない、そんな作品でした。

なぜそんな状態になっているかと言われればアニメでもエロを前に押し出してる割に、ゲームでは全然エロい演出が実装されていないからでしょう。

 

このゲームを買っている人間の9割くらいがおそらく服がハジけ飛んで女の子が赤面する、または服がハジけ飛んだ状態の女の子を観察したいはずなのにそれができないのは悲しいというか、なんのためにこのゲームを買ったんだ・・・?という気持ちになります。(アニメだとジェットレース中に武器で攻撃された女の子の服はハジけ飛んでいたのに。。。そもそもこのゲームのCEROはCなのでそういうのを求めるのはお門違いなのか???CERO:Cって、やる気があるのか???)

 

キャラがそれなりに可愛くてレース部分がそれなりに面白いだけのゲームです、このゲームにエロを求めている人は買わないもしくは値崩れ後に暇つぶし程度に買うのが賢明な気がします。

 

・キャラ/ストーリーについて

キャラクターは閃乱カグラやらヴァルキリードライヴなんかでも実績のある通り、みんなちゃんとキャラが立っててそれなりに可愛いです(最後のアニメに登場していない隠しキャラ的なのは正直出番少なすぎてわからん)。ボクがいいなと思ったのは紫集院かぐやさん(画像一番左)、プライドは高いけど努力を惜しまないし相手をリスペクトする系お嬢様キャラでした。

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高校(2人1組)ごとのストーリーがあるのでキャラの魅力が伝わる程度には掘り下げができていると思います、ギャグ的にも伏線回収の深み的な意味でも面白いかと言われると微妙ではありますが。。。あと、ジェットレースを毎話するときのレースへの導入の仕方が雑すぎるのはまぁいいけどもうちょっと何かできないかなとは思いました(遊戯王のとりあえずデュエルしとけ感がある)。

 

・レースゲームについて

レースゲームとしてもそれなりにちゃんと面白くできていると思います。

ブースト加速とマリカのアイテムみたいな感じで入手できる武器を駆使して相手を妨害して抜いて1位でゴールするのがゲームの目標です。

武器以外にもジャンプ台を使ったときに発動できる固有アクションだったり、所持している武器によって異なる必殺技が出せたりとレース中に行えるアクションもバリエーション豊富でいろいろ試してみるのが楽しい仕様になってます(下画像はジャンプ台使用時チームごとの固有アクション)。

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またコースについては、1つのサーキットに対して3通りくらいのコースが用意されていてパッと見数は少ないものの、飽きないようにバリエーションがそれなりには多くあると思います。昼夕の切り替えもできるので、景観としてもちょっとは違っていて飽きにくいです。

ただ、ストーリーだとCPUが弱すぎて常にぶっちぎりで1位になってしまうので張り合いがないです、ハードモードとかもありません(縛りプレイはできる)、隠しキャラチームの1話だけは異常に難しいので注意です。過疎ってるかもしれませんが一応オンライン対戦もあるのでそっちを試してみるのはいいかもしれません。

 

〇おわりに

閃乱カグラ次回作をなんらかの形で発売してくれるためのお布施と思って購入しましたが、正直発売日にフルプライスで買うには微妙と言わざるを得ないゲームでした。途中に書いた通り興味がなければ買う必要はなし、興味があるなら値崩れして2~3000円くらいで買うのがいいと思います。

後、このゲームの利点としては約10時間で実質ストーリークリアのみでトロコンできるのでトロフィーブーストにはなると思います。アクションとしても簡単なのでオススメできます。

 

今回レビューを上げるのが発売から2週間弱と遅くなってしまったので、これから新作レビューは今まで以上に早くクリアして早くレビューを上げたいところです。

次は新サクラ大戦幻影異聞録♯FE、もしくは今週発売のプリズンプリンセスになると思います。

PS4「The Last of Us Remastered」感想

PS4The Last of Us Remastered」感想

 

○概要
通称「ラスアス」。2013年にPS3にて発売されたものを2014年にPS4用にリマスターされたものをプレイ。開発はクラッシュ・バンディクーアンチャーテッドで知られるノーティドッグ、発売はSCE。ジャンルとしてはサバイバルアクション。
プレステの発表会のたびに続編となる「ラスアス2」の動向に注目が集まるほどの超人気注目作なのでプレイしてみた、あとPSplus会員だと100円だったから。
世界観としてはパンデミックが起きて感染者(ゾンビみたいな感じ)が世界にあふれているので都市などは崩壊し、少ない物資の中で人々は独立して暮らしているというもの。

 

○ゲームシステム、評価点
基本的に一本道でマップを進む→敵が出てくる→倒す→ストーリーが展開→マップを進むの繰り返しでゲームの流れとしては割と単調。登場する敵には大きく分けて2種類「感染者」と「人間」がいて、どちらかと戦うかによって戦い方が大きく変わってくる。
ただ基本的にはどちらもステルスで進めることになる、というのも前述の通りサバイバル的な世界観なので銃弾や武器などは調達しづらくシューター的なゲームのように敵をガンガン倒し行くプレイスタイルだとすぐに武器が枯渇してしまうのだ。なので敵との戦闘には毎回緊張感を持って臨むことができる。この点で世界観との一致・キャラクターの緊張感の共有ができる仕様となっており評価できるだろう。

そして、最も評価するべき点はストーリーとそれに付随する演出だ。崩壊した世界での主人公オッサン、ジョセフと少女エリーの旅と関係祭の変化を楽しめる。また、多くを語りすぎないで言葉尻に登場人物の感情や過去の出来事への示唆を残していく台詞回しもプレイヤーに想像の余地を与えてくれて良い。
またPS3以降だからこそできる細かな顔の表情で魅せる演出が光る。登場人物のセリフ、声優の演技、そして細やかな表情、全てを合わせて会話が繰り広げられる。ゲームというよりは実写ドラマに没入しているかのような気持ちになるだろう。

 

○微妙な点
先に述べた、常に緊張感を持って敵と対峙する必要があるという点は逆に不満点としても目立つ結果に思える。
具体的には、主人公が弱すぎる。ストーリーの続きが早く見たい/気になってこのゲームをやってるのに敵にやられまくって先に進めない事態となってしまう。ゲーム内のリアルさのために意図的に主人公を弱くしていることに文句はないけれど、もう少しテンポよくゲームを進めさせてくれてもいいと思う。特に後半はストーリー的に盛り上がってくるのに敵の数が増えて強い敵も増えるのでテンポが悪くなりがちだ。一度攻撃されたら即死の敵の出現頻度を抑える、敵の数を減らす、主人公の攻撃パターン/ステルスで進めるルートを増やすなどをしてもいいと感じた。
まぁこれは難易度バランス調整の問題なので人によって感じ方は違いそうだし、アンチャーテッドをやったときも同じことを思ったので多分ボクの理想のテンポとノーティドッグの理想のテンポが違うだけだろう。

 

○総評
ゲームシステム自体は単純な一本道と普通のステルスアクションではあるもののストーリーと演出の良さで高評価につながっている一作ではないだろうか。「ラスアス2」を発売日に買うかと言われると正直微妙だが、続きは気になるので中古で安くなってからでも買いたいと思えるくらいの全体的な意味での面白さだった。

PS「スナッチャー」感想

スナッチャー

 

○概要
1988年にPC、MSX2で発売。(メガドライブが発売した年)その後たくさんのハードで発売、今回プレイしたのは96年発売のPS版。開発、発売はコナミ小島秀夫がディレクターを務めた作品、「メタルギア」に続いて2作目に手掛けた作品。ジャンルとしてはアドベンチャーゲーム。82年に公開された映画「ブレードランナー」をモチーフにしている(本人公言らしい※ウィキペディア参照)小島秀夫作品の例に漏れず、映画的手法・オマージュ、メタ的なが多くある。
ちなみに、このゲームはPSのゲームアーカイブス化していないのでディスクを買うのが一番早そう(他ハードなど詳しくは調べていないので気になる人は適宜調べてください)。

デスストランディング発売前に小島秀夫の作品をプレイしておこうと思ってブックオフに行ったらちょうど売ってたので購入。シナリオは一本道なので10時間ほどでクリアできると思う。

 

○このゲームの特徴・面白いところ
基本的には選択式のアドンベンチャーゲーム(人に会う→話す/調べる→ストーリー展開みたいな流れ)が続く。しかし、捜査中に主人公にとって敵となるスナッチャー(機械生命体、人間に化けている)が出現するとシームレスに銃撃戦(画面が9分割されて照準を合わせる必要があるSTG)が始まる。
このシステムのおかげで、いつスナッチャーが出てくるのか、いつ銃撃戦が始まるかと肝を冷やしながら、つい自ずと少しずつゲームを進めてしまうような緊張感のあるゲームプレイが体験できる。
スナッチャーが出てくるかもしれない!と思わせるような場面における演出とシナリオの噛み合いも良く、操作している主人公の緊張をプレイヤーも共有できるようなゲームづくりがなされている。

 

○感想
ストーリー自体は当時としても現在にしても割とありきたりなものであると言えるだろうが、先に述べたシームレスなゲームシステムと手に汗握る緊張感をADVで味わえるという意味では優れた良作であり、発売から30年が経った今プレイしてもこのゲームの色褪せない面白さを感じたことができるだろう。

良くも悪くも無難な感想になった気がしますが、それだけこのゲームは評価すべき点やコンセプトがハッキリしていてその面白さが際立っているのではないでしょうか。

PS4『DEATH STRANDING』(デス・ストランディング、デススト)クリア後感想・評価/レビュー

こんばんは。

 

昨日、無事PS4で発売された『DEATH STRANDING』(以下:デススト)のストーリー部分をクリアしたので感想とレビューをしていこうと思います。ストーリーのネタバレはほとんどないです。ちなみにクリア時間は34時間でした(多分早い方だと思います)。

レビューだけ読みたいという方は前半は読み飛ばしても問題ありません。

 

〇作品の概要

デスストは2019/11/08に発売されたゲームで、ジャンルとしては既存のゲームの枠には囚われない「ストランド・ゲーム」とされています。プロデューサー兼ディレクターは『メタルギア』シリーズなどを手掛けた小島秀夫で、開発はコジマプロダクション、発売はSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)です。その他の特徴としては、このゲームの主人公にはノーマン・リーダスが起用されており、ゲームの開発エンジンにゲリラゲームスのデシマというものを使っていることが挙げられます。

 

〇ゲームの流れ

このゲームの最終的な目的は大陸を横断して都市と都市をつなぐことですが、そのためにプレイヤーが実際に行うことは荷物を目的地に運ぶことです。

 

ゲームの大まかな流れとしては、

拠点で依頼を受ける→荷物/装備を整える→出発→→→(旅路)→→→到着(納品)/依頼完了

となります。

良くも悪くもシステム的には「おつかいゲーム」であると言えると思います。

 

〇感想・評価/レビュー

ボクはこのゲーム、非常に楽しんで最後までプレイできました。

というのも、システム面だけ見れば今作はただの「おつかいゲーム」ではあるものの常に飽きないような工夫が随所になされていると感じられたからです。今回は7つの項目に分けて感想を書いていきます。

 

①ルートを考える面白さ、達成感

このゲームではただ直進するだけではなく、自分がどういうルートで目的地に着くか考える必要があります。道中には「ミュール」と呼ばれる主人公の荷物を略奪する集団や「BT」と呼ばれる雨が降る場所に現れる主人公の行く手を阻む存在がいます。そこでそれらの障害を迂回するルートをとるもしくは、敵のど真ん中を通ってでも近道を通るルートなど様々なルートを検討して楽しむことができるのです。また、単純に地形的な問題(崖、谷、山の急斜面など)の存在によってルートの再検討を強いられる場合もあります。

 

以下の画像の例では、プレイヤーの現在地(赤丸)から目的地(黄丸)に向かいたい状態にあります、青いモヤモヤは雨が降っているゾーンで、敵(BT)が出現します。そこで考えられるルートとしては雨の中を突っ切って最短で行くルート(危険だけど早い)、雨を迂回して安全に行くルート(遅いけど安全)があります。

 

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どのようなルートで行くかはその人次第ですが、このように自分で行く場所に対してどうアプローチするかを考える楽しさは、まるで旅行の日程/ルートを組んでいるような楽しさがあると思います。更に、自分で考えて組んだルートで荷物を届けられた時の達成感は自分が主体的にゲームに参加した故の大きなものがあると思います。

例えると、東京から大阪まで移動するときに東海道をそのまま行くか、甲府や諏訪を経由するか名古屋から三重奈良経由で大阪に行くか等様々なルートを考えている気持ちになりました。こういうことを考えるのが好きな人は必ずハマるゲームだと思います。(ゲーム内では障害がなければ、基本は早さ重視で直進だと思いますが)

 

上記に加えて基本的に初めて通る道は開発されていないので、手探りで道を探して切り開いていく探索の楽しさみたいなものもあると思います。このゲームはマップが広いので配送箇所が多く存在し、未踏の地に行きたいという探求心も大いにあるでしょう。

これはどんなゲームにもある(ドラクエポケモンで次の町に向かう道中のような)、自分の知らない/体験したことのない場所を進んでいる時のワクワク感だと思います。このゲームでは次の目的地へのルートは一本道ではなく、自分でアプローチするルートを考えなければならないので手探りで開拓するワクワク感はより大きくなるでしょう(他のオープンワールドゲームでも言えることかも)。

 

②達成感とそれ盛り上げる演出

上記で説明した達成感がこのゲームで一番の面白さだとボクは思います。

その達成感を盛り上げるための演出が随所にあります。最もわかりやすい&嬉しいのは、山の頂上から見下ろす絶景とその先にある目的地を見るこの瞬間。この瞬間にカメラが引いて景色を味わえるようになり、更にそこで雰囲気に合ったいい~~感じの曲(この場面では画像右中央の曲)が流れます。

今までの長かった道のりを思い返して、ようやく配達が終わるという安堵感、そして困難な道のりを踏破したという達成感が味わえます。この瞬間、このゲームやっててよかった~となることは間違いないでしょう。

(実際のゲーム内の行程としても、このゲーム体験の在り方としても)まさに登山のようなゲームだと言えると思います。

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③素晴らしいマップ構成と飽きないプレイ

 では道を決めている時間、そして達成を味わった瞬間以外は退屈なのかと言うと全くそんなことはありません。そこにはマップ構成の良さが活きています。

 基本的にこのゲームは歩くだけ移動するだけのゲームですが、道がデコボコしている/岩がゴロゴロしてる、雪山で常に半ロッククライミング状態であることが多いです。また、凹凸のある道を通ると主人公がバランスを崩して荷物を落としそうになるのでL2/R2ボタンを押してバランスをとる必要があります。

 なので移動中も常に画面を見て凹凸を回避する必要性があり、3秒後どの道を通るかなんかを考えながらプレイする必要があります。×ボタンを押せば凹凸を登ることもできるので、瞬間瞬間の道の選択すらも自由です。こうして常に多少は考えることがある、移動中も飽きないゲームとなっています。またこの瞬間の選択は無意識のうちに行えるので、長時間ゲームをプレイしていて疲れるとか負荷に感じることは比較的少ないと思います。(FPSやアクションゲームのように常に思考をフル回転させて集中する疲れみたいなもの)

 瞬間の道の選択と長期的な(大まかなルートの)道の選択の面白さに加えて、前述の依頼を終えた時の達成感が噛み合うことで、歩いているだけなのに無限に飽きないでプレイしてしまうゲームに仕上がっているのでないでしょうか。これには素晴らしいマップ構成の恩恵であると言えるでしょう。

※但し、国道(整備された安全な道)などが完成したらその道を真っすぐ進むだけになります、まぁこれはこれで別の面白さがある気がします(この面白さについては後述)。

 

④やりこみ/開発の面白さ

このゲームには配達の道中を手助けしてくれるアイテムがあります(車やアイテムを使うために必要なバッテリーを充電できる施設や、川や谷を越えるための橋など)。これらのアイテムを使うことで今まで歩き回って大変だった移動を抜群に快適に行えるようになります。

自分で資材を集めて施設を建設し、今まで大変だった移動が楽になった瞬間は嬉しい気持ちが多分にあると思います。また、自分が建てた施設はオンラインで共有されて他プレイヤーから「いいね」をもらえるので嬉しくなれます。

ただ、移動のために施設による開発をしまくった結果、ヌルゲーになりすぎてしまう可能性もあるのかと思います(移動が単調になり、まさしく真の意味で作業ゲーになってしまう)。具体的には、荷物を届ける町と町をつなぐ国道を建設し終わった瞬間は滅茶苦茶嬉しいけど実際国道を使うと配達がヌルゲーになりすぎる、なんてことも。Lv100のポケモンを持ってゴールドスプレーを使って1番どうろを歩いているような気分。

一応開発がされすぎないように定期的に建築物は雨によって劣化していくそうです(正直発売5日間でかなり開発されたし開発できたので頻度の問題か?)。どれだけ開発するかはある程度プレイヤーに委ねられているので、やり込み要素としての面白さという側面が大きいように思えます。

 

⑤ストーリーの奥深さ

まず、この作品のストーリーは全体的に難しいです。それはストーリー構成という意味でもありますし、固有名詞(独自の設定)の多さという意味でもあります。詳しくはこの記事では触れませんが、順々にストーリーの内容を理解できていればストーリーのエンディング場面ではこの作品の芯となる部分は理解できると思います。ボクは適当に流し見していたのであんまりわかりませんでしたが。常に新しい謎を提示してくれるので、次が気になる展開が続きます。ストーリーの続きを見るということもゲームを続ける/配達をするモチベーションにつながるでしょう。

また、エンディングを見て全体像がつかめている状態で2周目を遊ぶと序盤の何もわからなかったセリフの意図などが理解できるので、よりストーリーを楽しむことができると思います。ストーリーの解説や考察でも楽しめる一作です。

 

小島秀夫っぽさ

これは完全に既存の小島秀夫の作品プレイヤーが楽しみにしている要素の一つではないでしょうか。狂言回しっぽい(プレイヤーにはわかるメタ発言)をするキャラクターがいて小島秀夫っぽさをそのキャラクターからは感じました(雑な感想)。

また、過去作オマージュのキャラが登場するのも小島秀夫っぽいなと思います。

ボクは知識不足でわかりませんが、映画のパロディも多く出てきているんじゃないでしょうか、多分。

 

⑦ゲームのテンポ感とチュートリアル

ゲームのテンポ感も良かったです。テンポ感というのは新しいゲーム内要素の導入のスピードだったりチュートリアルだったりです。

散々「このゲームは歩くだけ!」と書いてきましたが、プレイヤーがやれることは実は沢山ありますし、画面上でプレイヤーが把握しなければいけない情報量は(歩くだけにしては)多いです。ですが、ゲーム内の新要素の解放・導入は、プレイヤーがそれまでのゲーム環境に慣れた頃合いをうまく見図ってなされています。そして実質チュートリアル的な側面がある任務や戦闘・建設も、チュートリアル然しておらず、「この場面ではこの操作をしないと先に進めません、やってください」みたいな展開になることは少なかったと思います。チュートリアルを自然にゲーム内に溶け込ませるのはうまいゲーム構成だなぁと素直に拍手です。

正直、最序盤はムービーが多く(その上ムービーの意味分からん)、移動中にできることも少ないので退屈に感じてしまうかもしれませんが、3~4時間プレイすればある程度要素が解放されゲームにも慣れて、自分の思うままに配達ルートを組めるのではないでしょうか。

 

総評

なんだかんだ書いてきましたが、①と②の部分がボクは一番このゲームで面白いと感じた所です。だから、初見で道を開拓するときのワクワク感、それを成し遂げた時の達成感はこのゲームをやった価値があったなと存分に思わせてくれるものであり、このゲームは満足する出来だったと思います。

新しい拠点や配送ポイントがなくなってしまうと、プレイしていて何度も同じ/知っている道を往復するだけの作業になってしまうように感じたのでゲームを再開するならストーリーの2周目かなと思います。(道の開発をモリモリやるかどうかは人によって好みが分かれそう)

最後にボクのクリア時のデータを載せておきます、何かの参考になれば。

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余談、雑談

このゲームは歩くだけゲーム、目的地に向かってゴールすることが目的のゲーム、(戦闘で敵を倒して爽快感を得ることではなく)ゴールに着いた瞬間の苦難を乗り越えた達成感が売りのゲームという意味ではファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』とやっていること自体は同じだと思います。

しかし、このゲームを通してこれだけゲームの面白さは複雑というか(このゲームの場合は)アクションとして練られているのだなと痛感しました。また同時に、ゲームの本質的な根柢の部分(達成感という意味で)が変わっていないということは、人間は達成感という感情が滅茶苦茶好きなんだろうなと思うようになりました。

 

クリアしたゲームの感想の下書きが無限に溜まっているので消化していきたいです。

【PS4】『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』 感想

こんばんは、2か月ぶりです。

明日で夏休みが終わってしまうので現実逃避をしています。

 

最近はYouTubeを見まくりながらゲームをひたすらやってます。

今回は2019/09/26に発売された『ライザのアトリエ』の感想を書いていきます。

難易度ノーマルで一通りクリアしてその後トロコンしました。

改善の余地はあるかと思いますが、全体的には面白かったです。

 

〇概要

『ライザのアトリエ』はアトリエシリーズというゲームの一作でコーエーテクモのガストブランドから発売されています。アトリエシリーズ内でも世界観が統一されている作品群があり、アトリエシリーズ内でも分類があります(ロロナ、トトリ、メルル、ルルア→アーランドシリーズなど)。ライザは新しい世界観なので新シリーズ1作目となっています(シリーズ化するかは次回作発売まで謎)。主人公のライザちゃんはTwitterを始め太ももの錬金術師でバズってましたね。

アトリエシリーズに関しては、ボクはマナケミア1とロロナとトトリとソフィーのアトリエをプレイしたことがあります。シリーズ最新作のルルアとかリディ―&スールなんかはやってないです。以下の感想はそれら作品と比較してシリーズとしての感想になってしまいます多分。

 

アトリエシリーズ根本の面白さは、中盤辺りまではストーリー進行→新フィールド解放→新素材ゲット→新アイテム調合→ストーリー進行という、新要素を解放していくワクワク感の面白さがあります。

アトリエの特徴的な面白さとして、上の面白さに加えて中盤以降の「素材採取→調合→アイテム強化」の流れで自身をモリモリと強化する要素があります。終盤では敵が強いのでただ調合しているだけでは勝てず、調合で作ったアイテムでどれだけ自分を強化できるかが重要になってきます。アイテムの数値(強さ)がガンガン上がって敵を瞬殺できるようになっていくのは気持ちいいです。

以上を踏まえて『ライザのアトリエ』の感想です。

 

〇良かった点

・キャラが可愛い

ライザちゃんもクラウディアちゃんもリラさんも可愛い。

 

・調合システムが割と簡単

特にアイテムリビルドというシステムが超優秀、逆に言うとヌルゲーかもしれない。

一言で言うと、既に完成しているアイテムに素材をつけ足せます。なのでアイテム効果と特性をかなり自由に強化できます、強いアイテムを作りやすくて楽です。

リビルドを使えばある程度強いアイテムは簡単に作れるので敵が強すぎて詰むことは難易度ノーマルなら大丈夫そうです。

 

・フィールドが広い&採取ポイントが多い

フィールドがデカすぎて最初1ステージだけかと思いましたが、最終的にはいつも通りくらいのボリュームになったと思います。

広いので採取ポイントがたくさんあるのもいいですね。ダッシュもあるのである程度サクサク採取できます。ただ、今までよりは時間がかかるので最初は広すぎて効率ワリーわとなるかも。

 

・BGMが神

いつも通りBGMが良い。火山ステージのBGMとボス戦BGMが特に好きです。

サントラは既にサブスク解禁されているので聞いてみてもいいかも。(以下試聴動画)

www.youtube.com

〇改善点

・割と終盤までコンテンツが開放されない

仲間が全員揃うのがわりと後半部分であったり、「風の精の靴」というアイテムの解放が結構終盤になっていますが、もうちょっと中盤あたりまでにテンポよくコンテンツを解放してもいいのではないでしょうか。

 

・序盤がダルい

拠点となる島がめちゃめちゃデカいので序盤でファストトラベル(ワープ)が解放されますが地名がわかりにくくて使いにくい、慣れるまではどこに何があるかわからなくて島の中をグルグルすることになります。

また序盤の終わり辺りはお使いクエストが多い割には新要素の解放が少なく、(更に上記のフィールドが広すぎて場所がわからんのも相まって)退屈に感じるかもしれません。(序盤グダるのはわりとシリーズ恒例かもしれない)

 

・クリア後にやることがあんまりない

クリア後にやることは採取地調合で無限のアイテム回収か裏ボスを倒すくらいしかありません。やり込み要素はアトリエにしてはあんまりないかなという印象を持ちました。トロコンも30~40時間でできるので簡単な方だと思います。別にボリュームが少なく感じるレベルということはないです。

 

・キャラモデルの表情が微妙

コーエーテクモ共通の開発エンジンを使っているからだと思いますが、モデルの出来やフィールドのグラフィックの出来はいいです。ただ、キャラの表情はもうちょっと数があってもいいかなと思いました。別に悪いわけではないです、こんなもんと言えばこんなもんです。

 

・レアドロップがわかりにくい

モンスターの素材の中でも、特定のモンスターだけからレアドロップするものがあります、これが滅茶苦茶わかりにくい。5回くらい倒さないとドロップしないこともある上に調合に必須のアイテムもあるので詰む可能性があります。ドロップ率を上げる、初回撃破時は確定でドロップする、図鑑にアイテム情報を載せるなどしてほしいです。

 

・調合を解放しないと詰む可能性がある(全体的にヒントが少ない)

ライザのアトリエの調合システムは、調合アイテムを調合する際に、特定の素材を使うことでアイテムを派生させて調合のバリエーションを増やしていきます。このシステムの厄介な点は、調合でアイテム派生をする際に必要となる「特定の素材」がどこにあるか基本的に教えてくれないということ。

この仕様でかなり苦しめられました・・・。基本的にノーヒントなので上記のレアドロップがわかりにくいという点と相まって、調合に必要な素材がどこにあるか全くわからない現象が発生します。フィールドも広いし採取できるアイテム数も多いのでどこにあるかわからなくて詰みます。

 

・お金の存在価値がほぼない

今作はお金とは別にジェムというアイテムを売って錬成する通貨的なものがあります。このジェムを使って上述のリビルドやアイテムの複製を行います。使用アイテムや装備を強化しようと思ったら、基本的にジェムしか使わないのでお金はほとんど使い所がありません。

これならジェムとお金を統一してもいいんじゃない?って感じです。

 

〇賛否両論

・戦闘がわちゃつく

今までのアトリエは普通のコマンドバトルでしたが、今作はATBアクティブタイムバトル)(FFでよくあるやつ)ぽいシステムが採用されています。

次のコマンドをすぐに考えないといけないので効果を考えながらスキルだったりアイテムを選んだり演出をじっくり見る暇がないです。あと通常攻撃の火力がまぁ~低いので〇連打では勝ちにくいです。戦闘画面自体が常にわちゃつく上に、常に考えないといけないので好みが分かれそうです。

 

・ストーリーが重い

アトリエと言えば、シリーズ1作目の『マリーのアトリエ』のキャッチフレーズ「世界を救うのはもうやめた」が有名で、ストーリーとしては可愛い女の子の日常と成長みたいなものが多い気がします。

シリーズ続編もそのコンセプトを守っているイメージでしたが、今作は比較的重めのストーリー展開でした(ネタバレ防止で詳細は書かない)。のほほ~んとした牧歌的な雰囲気を期待していると今回はちょっと違うかもしれません。

シナリオも評価が分かれそうです。

 

・サブクエストが長い、普通のクエストがない

今回クエストに当たるものがギルド的な場所で受ける形ではなく他のRPGのサブイベントみたいな仕様になっています。クエスト発生場所にいくと、人からクエストを依頼されます。そしてそれをクリアするとサブクエストのシナリオが進行して次のクエストが解放される形式です。

そのため従来のクエストでできたような、クエストをバンバン受けて、調合・戦闘しまくってレベルを上げながら金を稼ぐというプレイスタイルがやりにくい仕様になっています。これも賛否分かれそう。

 

・キャラ個別サブストーリーがあんまない

キャラ個別ストーリーがない、悲しい。メインストーリーだけでキャラの掘り下げがたりないか?と言われれば、そんなことはないですが、あってもいいかなと思います。

最後には強いスキルとか解放されれば仲間との絆も深まるし戦闘でも強くなるし、ゲームのボリュームも増えるしよさそう。

 

〇まとめ

分量的には良い点以外のほうが多い気がしますが、アトリエの根本のシステムがそもそも変わらずに面白いので普通に面白いしオススメです。

シリーズ1作目ですし、システム周りは次回作以降で洗練されていくはずです多分。

調合システムも簡単でボリュームも少なすぎず多すぎず、キャラは可愛い、ストーリーもボチボチで全体的にいい感じです。アトリエというよりは普通のRPGに近い気がして、シリーズをプレイしたことない人にもかなりオススメです。

逆にこれまでのアトリエとはゲームシステムがガッツリ変わってるのでシリーズ既プレイの人のほうが違和感あるかもです。

次回作に期待しています。

 

アニメ紹介(シリアスアニメ編)

こんにちは。
たまには昼に更新してみます。
18きっぷ東海道線に揺られていて暇すぎなんで、何か書きます。
何か書くと言ってもボクに書けることはアニメかゲームかVtuberくらいしかないので、今日はアニメについて書きます。

アニメ近況報告としては、この間dアニメストアの視聴話数が4000話、作品数は300作品を突破しました(13ヶ月半くらいかかりました)。
このペースで行くと今年度末までに6000話は見れそうです、自分で書いてても6000話って何だよという感じ、意味ワからん。

そんなわけでたくさんアニメを見たので、面白かったアニメをたまには紹介します。シリアスアニメ(ギャグとか日常とかハーレムとかじゃないやつ)を今回はやります、次回はギャグとかラブコメとかやるかも。
みんなが見てるアニメを紹介しても紹介としてあんまり意味なさそうなので、それなりの知名度(筆者調べ)の作品を紹介します。
(dアニメストアだと配信終了してるかもしれないので注意してください。)

バディ・コンプレックス
2014冬放映の制作:サンライズのロボットアニメ、1クール+OVA
1話でヒロインが謎になって、なんやかんやで主人公が別世界に飛ばされてロボットに乗る。1話で消えたヒロインの謎を解明するため/元の世界に戻るために主人公が頑張る話。
ループの構造が複雑でややこしいけどもその分作品全体の構成として深みがマシマシ。1話の謎がジワジワと開示される展開とカッケーロボットのバトルが相まって100点。
1クールもののロボットアニメで一番面白いまであると思う、オススメ。ロボットアニメ好きじゃなくてもループ好きだったり早見沙織正統派清楚ヒロイン好きは必見。
2019年7月31日現在dアニメで見れるので今すぐ一気見してほしい。

すべてがFになる
原作は森博嗣の小説。小説の時点で死ぬほど面白いのでアニメももちろん面白い。2015秋アニメ、ノイタミナ枠、1クール。ちなみにドラマにもなってる。
天才・真賀田四季に会いに行くぞ~と大学の研究室旅行で彼女の研究所へ行く主人公ご一行。しかし彼女の研究所に行ってみると、両手両足を切断されてウェディングドレスを着た状態で真賀田四季の死体とご対面。この密室殺人を准教授と学生で解き明かすお話。
トリック面白い、真賀田四季かっこいい、視聴後それとなくスッキリ感がある、みんなキャラが立ってる、と誉めるところしかない。強いて悪い所を挙げるとすれば、テンポが悪いと感じるかもしれない所。
大学の研究室旅行がテーマなんで大学生のうちに見ておきたい(作者の森博嗣は名大の工学博士を持っていて三重大の教員だった)。
あと木戸衣吹さんの演技がいいです。これも現在dアニメで見れる。

妄想代理人
2004年冬アニメ、原作/総監督:今敏
これは見るしかないと思う、見て損はないと思う。
内容については説明できるくらい理解できてないのでしないけど、1話完結で進む話も多くてテンポがいい。
今敏本人のブログもあるのでそれを見ると演出の意図がわかることもある、見ると面白さ5倍くらいになる。いわゆる難解アニメかもしれない。
現在dアニメで見れる、見て欲しい。

UN-GO
2011秋アニメ、ノイタミナ枠、1クール、監督:水島精二。1~2話完結の話が続く構成でジャンルとしてはおそらくミステリー。
この作品は「すべてがFになる」とは違って本格ミステリー感はそんなにないけども、トリックで納得できるし無難に完成度が高いと思う。特殊能力を駆使する系の探偵だったり犯人が好きな人はオススメ。
いつものふわふわヘラヘラキャラとは全然違うキャラで豊崎愛生さんの演技がいい。これも現在dアニで見れる。

灰と幻想のグリムガル
原作はオーバーラップ文庫ラノベで2016冬アニメ、1クール。
dアニメストアで配信終了しちゃうし、なんとなく見るかと思って見たら面白くてビビった作品。
1話で異世界転生したからどうせ無双でしょ😎とか思ってたら普通に訓練して普通にモンスターとガチンコで戦う話で、なんというか昔のハイファンタジー(?)系ラノベを思い出した。
ボクはモンハンのノベライズのラノベ(ファミ通文庫)を読んで育ったので、この作品のガチンコでモンスターと戦う感じがとても好きです。
主人公チームのキャラも立ってるし苦悩する感じもGood。
ちなみにこれは現在dアニメでは見れないです。

見て欲しい度的には1>2>3>4>5。
スマホで書いてたら③くらいで目も手も疲れました、さいなら。

映画「天気の子」感想

こんばんは。

 

この前の金曜日、公開初日に新海誠監督の映画「天気の子」を見ました。

そんなにたくさんではないですが、簡単に感想を書きたいと思います。

ちなみに今は告白実行委員会のアニメを見ています。

 

新海誠について

ボクは「君の名は。」しか見ていないので新海誠作品としての「天気の子」みたいなことは全然考えられなかったです、「秒速」とかも見たいですね。

なんで「今回の新海誠は~~~~だった!!!」「やっぱ新海誠は~~だわ。」みたいなことは書きません。

 

・感想

一言で感想を書くと、定番で面白いものはやっぱ面白いなという感想です。

展開とかテーマ自体はある種テンプレだったかもしれませんが、新海誠っぽい(?)演出がいい感じに効いており爽やか青春味に仕上がっていると思いました。

 

話自体はボーイミーツガールで主人公は世界を取るか、ヒロインを取るかという話です。あとは子供と大人の過渡期という話。

 

・青春ぽさ

主人公は元々離島(伊豆諸島?)で暮らしていていましたが、そこでの閉塞感を感じて一念発起して黙って東京へ行き、そこから物語は始まります。東京で都会の喧騒やら大人のやり口やらにボコボコにされて「やっぱ都会って怖いわ~」となっているところでヒロインと出会うという展開。これが最序盤。

 

この展開、すごい青春ですよね。

「こんなおもんない田舎でしょーもない大人に囲まれてなんか生きていられるかよ!オレは都会でビックになるぞ!それで都会に行って女の子と出会って駆け落ちしちゃうぞ・・・。」という高校生らしい考え/感情を最初に提示します。そしてそれを実行しちゃうわけですよ。

 

それでもってネカフェに主人公が寝泊まりするときに読んでいる本が『ライ麦畑でつかまえて』なわけです、「これって青春的思想だよね!」という提示の仕方がわかりやすくていいなと思います。

 

他に好きなのは、主人公たちが色々あって警察に追われる中、ホテルに泊まるシーンでヒロインの弟が言うセリフ。内容としては「俺たちこれでお尋ね者ってこと?それってカッケーじゃん!」みたいな趣旨。

中には「お尋ね者が格好いいって何言ってんだよ!」と思うかもしれませんが、これも「お尋ね者=格好いい、ワル=格好いい」という青年っぽさが見えるセリフな気がしてとても好きです。

わかる、学校に侵入してきたテロリストをぶっ飛ばすのも、世紀の大悪党になるのもカッケーのが青春って感じ。

 

また、まだ主人公たちが大人ではないことを示すのに、俗世に染まっちまった大人たちと青年である主人公たちとを対比して描いているのがとてもグッド。

元々は主人公のような青春的思想を持っていたが、今はもう大人になっちまったオッサン(須賀圭介)と現役で青春思想を持つ主人公の関係性だったり対比だったりで青春というテーマをうまく視聴者に届きやすくしています。

 

あと終盤で線路の上を走るのも「スタンドバイミー」のオマージュかなと思いました。

青春作品てんこ盛りです。

 

・自分語り

「あぁオレもこんな実行力が高校の時にあったらなぁ」とか思います。勉強をしているときも、「何でこんなことをやってるんだ?とか何で社会のレールに乗らなきゃいけないんだ?結局オレは何ができる何者なんだ?」みたいな思いがありました。

ボク自身も田舎の出身で「こんな田舎にオレは収まらん、大学は都会に行ってバリバリ遊びまくるぞ~」つってたわけですよ、主人公と同じです。まぁ結局家でアニメ見てばっかりですが。

そんな思いをなんとなーく社会はこんなもんだしと割り切ってしまった今になってこそ、「こんな風に思うこともあったなぁ~」って主人公の思いも大人たちの思いもわかるようになってきたのかもしれません。

 

セカイ系について

いわゆるセカイ系ボーイミーツガールだと思います。

それに関しては「君の名は。」も同じ気がします。

 

有名なのは「新世紀エヴァンゲリオン」『最終兵器彼女』『イリヤの空、UFOの夏』『ブギーポップは笑わない』とか(何か有名なのを忘れている気がする)。

この映画を見終わった瞬間は『イリヤの空、UFOの夏』を滅茶苦茶爽やかにした作品だったなとか思いました。確かに、「学生ボーイミーツガール」「主人公とヒロインの逃避行」「ヒロインが世界の命運を握っている(この表現は適切ではないかも)」という物語の展開の部分は似ていますが、テーマや演出など、作品の中身としては違うものに仕上がっているのではないでしょうか。

 

ちなみに、ボクは「天気の子」のほうが好きです。

イリヤの空』がめっちゃ好きな人は多分イリヤのほうが好きそう。(と思うのでイリヤの空が好きな人でこの作品を見た人がいたら感想を教えてください。)

あと、正直この作品を見終わった後にぶったまげました。だって展開が15年前のセカイ系ボーイミーツガールやんってなりますもん。展開自体は全部どっかで見たことあるぞとなるわけです。

令和にもなってまさかこんな10数年前に大流行した(?)ストーリー展開をする作品があるとは・・・という気持ちになりました。上述のとおりテーマや演出は違うので展開・構成は同じですが楽しめます。

 

・おわりに

「青春とは恋愛と複雑な人間関係の変化である!」みたいな作品が最近は多い気がします。

しかし、ボクは「青春とは鬱屈したモヤモヤした感情と自己矛盾」みたいな自分の内面の問題だと思っています。この作品がテーマにしている青春は、わりとボクが思っているモノに近い気がしたので見ていて楽しかったです。ボクにとっての青春とは何かを再発見できたような気もします。見て非常に意義のある作品でした。

 

ボクはこの作品が青春をテーマとし、セカイ系作品であるということをかなり序盤の段階で意識しながら見ていました。今回の感想もその視点/切り口に従って書いています。でもこの作品を見る人のおそらく半数以上は、『ライ麦畑でつかまえて』だのセカイ系作品だのみたいな話は知らないと思うし、もっとフラットな感情や色々な視点でこの映画を見てると思うので、他の人の感想が楽しみです。

 

この映画を見た人がいたらどこが面白かったのか、会った時にでも感想をぜひ教えてください。

あとキャッチャーインザライム、イリヤの空好きの人の感想も待ってます。

イリヤの空という作品やセカイ系という単語が最早オタク業界で過去の遺物な気もする、全然オタクに通じない。)