こんばんは。
ちょうど昨日月姫リメイクをクリアしました。
今日からネタバレ感想解禁ということで、今回はネタバレありで感想を書いていきます。
ちなみにクリア時間は30時間弱。多分これで普通よりちょい早いくらいだと思います。
画像がないのも寂しいので月姫(クリア後)のメニュー画面を貼っておきます。
まず感想(ネタバレなし)
クリアしてまず思ったのは、変に原作改悪しないでうまくリメイク&リブートできてる!
前者については既プレイでも初プレイでも楽しめる良い出来になっていたと思います。基本的な道筋は変えずに、変更できるところや追加できるところでリメイクの味を出せていました。
旧月姫だと1ヒロインのルートが案外短くてテンポがFateとかに比べると早い感じがしましたが、今回は2ヒロインで1本のフルプライスゲームと言われても納得できるボリュームになっていました。
既プレイなら差異を楽しめるし、初プレイなら新鮮に楽しめます。2D的な動きですが、常に立ち絵が動くので画面で文章を読むだけでも飽きにくくなっていて他のADVよりはビジュアル的に飽きずに楽しみやすいと思います(初見で奈須きのこの文章が読みやすいかと言われると限りなく怪しいですが…)。
上記の通りなので、ぜひプレイをオススメできる一作になっているのではないでしょうか。
正直YouTubeを見れば「月姫リメイクをオススメする理由」みたいな動画がたくさん上がっていて、それを見れば月姫の魅力は語られていると思うので今回は作品自体の魅力についてはそんなに意識して書きません。
純粋にプレイした感想を書いていこうと思います。(以下、ネタバレありの感想)
変更点について思うこと
ノエル先生について
ストーリー的な役割としては、シエルの贖罪の意識の引き立て役としてこんなに尺を取らなくてもよかったかなと。好きなキャラだったけど、過去だったり狙いだったりが時間をかけて人物の表の顔を書いた割に捻りがないというか小物で残念、シエルは基本的に過去の事件について自分で自分を責めているので、それでシエルの過去の贖罪的なところは描写しきれていると思うし。
志貴の大きな行動動機に影響を与えたかと言うとそうでもないし…。間を持たせるための闇堕ち中ボス感…。cv茅野愛衣はとても合っていて好きだった。
ただ、ゲームプレイ的な意味では良い点があると思う。
アルクルートと同じような展開をもう一回ノエルルートでひたすら見せられるよりは、ノエル先生の選択肢を入れてプレイヤーを飽きさせないという点では活きている。
あと、旧作だとシエル先輩がすべての説明役と面倒ごとを片付けていたけれど、その説明部分をノエル先生がある程度担ってくれたのはシエル先輩の過剰な説明キャラという印象も払拭に役立っていそう。
あと、個人的に良いなと思ったことは月姫世界での一般的な教会の代行者の強さを示せたこと。シエルもそうだしFateの言峰もそうだけど、これまでの型月作品内では代行者とは言ってもクソ強い/怪物級しか出て来ていなかったので、いい意味で型月世界での定規的な人が出て来てくれたんじゃいでしょうか(魔術師サイドはわりと弱いやつから強いやつまで出て来ていると思うし)。
死徒ノエルについては、なんでピンク髪でロリでロリータファッションなのかわからなかった(潤羽るしあみたいな見た目)。周りの割と落ち着いているキャラデザに対して浮いてね?という感想でした(なんかFGOのキャラみたい?)。(相対的に)弱いわりにビジュアルも技も派手なのは結局見掛け倒しかよ感があってあんまり好きじゃない。
INクローヴ→OUTネロ・カオスについて
リメイクで何か変更するなら物語の核心には関係なくて設定的にも替えがききそうなネロ・カオスかなぁと思っていたけど、やっぱりそうだった。
キャラとしては好きでも嫌いでもないし、いい感じに武器もデカくて能力も熱い・寒いとわかりやすく強そうなデザインでまぁ誰にでもウケそう(ネロ・カオスの生物を繰り出してくるというような渋い中二臭い能力ではなくなってしまったが)。
CV津田健次郎なのも実力を取りつつ流行を取っていくなというか、何かこのキャスティングは型月っぽいなと納得できた。キャラも声優もわかりやすく鉄板な感じで来た(キャラと声は無論合っているとして、デスストでサムが気に入ったとかかもしれない)。
ただシエル先生で教授の出番がなくなってしまったのは少し悲しい、あと中田譲治キャラがいないのも。続編でしれっと出てきそうだけど。
その他キャラの追加
一番今回の作品で関係あるのはマーリオゥ、シエルと聖堂協会周りの設定に主に関係してくる。こいつは中々いい味を出していて、全ルートでマーリオゥの狙いは同じだけど、各ルートごとでマーリオゥの身に何が起きるのかが違う。旧作シエル先輩の説明役の一部もこいつで引き受けてくれた。
マッドサイエンティスト風味の女と志々雄みたいな全身黒包帯男も出てきた。あと「うざいですよ先輩。」みたいな後輩キャラ。こいつらに関しては多分次回作でわかるし、何が狙いなのかわからなかった。
雑に予測するとマッドサイエンティスト風味は秋葉の父親の研究の手伝いで、全身包帯男は秋葉の能力でやられたやつ、後輩キャラは全くわからない。ただ、マッドサイエンティスト風味に関しては、あまりにマッドサイエンティスト風味の女と言われてイメージするようなキャラそのままなので、続編で過去暗い設定以外でもうちょい捻りを加えてほしい。
志貴の活躍ぶり
志貴に関してはボイスもついていい感じに主人公感が出ている、やっぱり叫びボイスがたくさんだけど。
中でもリメイクで注目したいのは、志貴の戦闘シーンがかなり増えたこと。
基本的に敵が強すぎる&ヒロインが強すぎて主人公は最後の一撃を決めるくらいしか戦闘での出番がなかった。けど、シエルルート終盤ではロアと実質融合することで吸血鬼と化した志貴が人間離れした身体能力と気合でラスボスのアルクを倒すのは、奈須きのこ感?というかFateっぽいなという印象を受けた。
ここまで演出マシマシで派手に派手に戦闘をやられると月姫という作品の雰囲気を壊してしまうかなと少し残念思う一方で、アルクの真祖としての強さを見せるという意味でも熱い展開を望む新規ファンへのサービスという意味でも作っているのかなと。
なんだかんだ前とあまり変わっていないアルクルートのほうが好きかなぁ…。
アルクとシエルの衣装追加
主に衣装周りが変更になっていた。
アルクは私服と戦闘服ドレスが追加されていて、シエルはパジャマと戦闘服が追加されて完全武装シエルの服がマシュのインナーみたいな服になっていた。かわいいけど完全武装シエルのあのタトゥー?聖痕?ペイント?がなくなっていたので何か残念。
シエルルートの分岐では今まで見慣れてきたロングスカート姿で登場したときは流石に嬉しかった。
設定追加周り
設定周りを読んでいる人ならば全員ビックリしたところがいくつもあったと思う。特に
・埋葬機関の人物リスト
この2つはいろんな型月作品で少しづつ消化していくものだと思っていただけに目玉が飛び出るほどビックリした。逆に言うと「月姫でこれだけ設定のパーツを見せてあげたんだから、もうこちらからはあんまり触れない。あとは自分たちで考えろ」という奈須きのこからのメッセージなのかもしれないと邪推できてしまう。
その場合はこれからの型月作品で死徒・教会周りはもうあまり触れないということであり、「Fate世界ベースで型月世界は広げていくよ」という宣言ともとれるので怖い…。
また、埋葬機関のリストの中に「殺生院キアラ」っぽい名前があったのでそこで型月作品をつなげる気なんだろうか…。シエルより上の順位だしキアラは月姫世界基準で戦っても超強いってこと?(よくFateSNは地方大会レベルの強さ、月姫は世界大会レベルの強さとも言うのでどのくらい強いのか気になった)
その他
久々に型月の設定資料集を見たけど、実は裏でこんなことがありました(笑)みたいなコメントはなく、全部真面目なコメントになっていて遊び心を忘れてしまったのかという悲しい気持ちになった。
1つ笑ってしまったのはアルクの設定ページに散々ネタされているアルクを17分割するときの分割線が載っていて流石に笑ってしまった、気にしてたんだ。
あと、有彦との会話の中で「パスタでも食っとけ!」みたいのがあったけど、公式でこれやるんだ…と一歩引いてた。
シエル先輩が黒鍵の説明をするパートでは、志貴が宇宙猫になってしまう。でも、これまで型月作品触ってきたプレイヤーはウキウキで聞いてしまうというはずだ。ここでは、基本的に行われるはずである主人公とプレイヤーとの一体感を意図的に乖離させていて、わざと主人公とプレイヤーの意識を離していますというゲームプレイのわざとらしさ感が自覚できて面白かった。
シエルルートの追加パートについて
元々シエルルートって説明が多いし戦闘もなんか他ルートに比べると地味で、一番印象に残らないルートだと思っていたのでリメイクの追加パートでガッツリボリューム増えたのは良かった。
リメイクで紆余曲折したシエルルートだったけど、最後の膝枕スチルはやっぱりそのまま持ってきてくれて嬉しかったなぁ。
グッドエンドについて
シエルのグッドエンドに関しては、旧作だと全員生きていて和解ハーレムエンド?になっていたけど、リメイクだとシエルが死んで志貴が教会に入って頑張っていくエンドとなっていて、ハッピー指数が下がっている。
Fateの凛ルートのグッドエンドもセイバーと凛と平和に暮らしました♪みたいなエンドだったので、こういう無難にハッピーみたいなエンドを一つ置いておきたいという奈須きのこの思いがあったのかと思いましたが、そうでもなかった。
まぁでも、今までと違う志貴の可能性の見せ方、ここで完結しないエンディングという意味では良かったと思う。マーリオゥを新キャラで出した意味もうまく出せている。
アルクについて
アルクがキレて暴走するのをシエルと志貴で止めるという話だけど、今まで描かれていなかった真祖のポテンシャルが(底までかはわからないけど)描かれていたのは良かった。
ホロウのギルとかCCCのギルみたいな、本編で100%の力を見せれなかったキャラが追加の話で「本当はこんなに強いよ!」みたいな話。こいつは実は強い!っていう設定だけ知らされている身からすると実際にこの設定はこうなるか~と、今まで勉強してきたことが活きている感じがあって面白い。
ここのアルク暴走パートはここまで月姫を待ってくれてありがとう!設定考えときました~!というファンサービスだとも思えた。
アルクが発光しながらデカくなった時は、ヒロインがデカくなって世界を終わらせようとするって…エヴァンゲリ〇ンかよ!とツッコミたくなり、最近見たシンエヴェにでも影響されたのかと疑った。本当にそうかもしれない。
デカくなった方がラスボス感はわかりやすくあっていいかもしれない、あと巨大化ネタは型月でよくやるネタだから…(秋葉のネタが…)。
アルクの描写が増えたけどその分シエルの全力の描写も増えていて、思いっきり魔術使っているところとかシエルが「弓」の二つ名を持っていることの説明もされていてよかった。(これは実はFGOにシエル先輩をアーチャーで参戦させるための追加設定だったら悲しい)
次回予告について
上記の通り書いているけども、エヴァみたいな見せ方するし、どうせならエヴァみたいにかっこいいBGMと共に次回予告とかあったら面白いのにな~と思っていたら、まさかの本当にあった。
もしかして…続編の発売年くらいは発表してくれるのか!?とウキウキだったけど、当然そんなことはなかった。1作目の時点で10年以上待たせているんだから、そうポンポンできるものではないんだろうなぁ…。
正直今回月姫リメイクをプレイして一番かわいいのが秋葉だったので早く秋葉ルートがやりたい。でも秋葉ルートの秋葉より、プレイヤーとしては真相を知らないで気楽でいられてツンツンしてるアルク・シエルルートの秋葉のほうが好きだったり…。(違うルートのヒロインのほうが可愛く見えるように奈須きのこは書いているんじゃないかと疑う、凛ルートのセイバーとか一番かわいい。)
最後に
内容にはあんまり触れないようにしたけど、長くなってしまいました。
無限に感想が湧き上がってくるので、周りの人がみんな月姫をやって感想を語り合える時がくればいいなと思います。
当初は、陰謀論者が如く、アニプレ〇クスに操られて、売り出したい新キャラを死ぬほど活躍させるみたいなご都合改悪をするんじゃないかと不安でしたが、そんな不安を払拭してくれるリメイク作でした。
何とか、2025年くらいまでには続編を出してください、お願いします。
(Fate/EXTRAリメイクも頑張って欲しい。Fateの中では短くまとまって面白くて、雰囲気も派手派手しくなく、型月っぽさがあって好きだから。)
P.S.
ボク自身は月姫というコンテンツをリアルタイムで体験してその勢いともに今に至ったわけではないのですが、だからこそ、そのコンプレックスをある種解消できる機会である今、このリメイクというタイミングでリアルタイムで月姫というコンテンツを初めて体験できて楽しいと思いました。(なのでもっと周りでも流行ってもいいんじゃないか…😿)