『春ゆきてレトロチカ』クリア後感想・レビュー

こんにちは。

 

今回は、『春ゆきてレトロチカ』をクリアしたのでその感想とレビューになります。

公式でストーリーのネタバレはNGと公言しているので、そこは避けての感想になります。

↓公式サイト

www.jp.square-enix.com

ゲームの概要

PS4/PS5/Switch/Steamで2022年5月に発売されました。

発売はスクウェア・エニックス、開発はハ・ン・ド

ジャンルは『“新本格”ミステリアドベンチャー』。

ディレクターは『428 封鎖された渋谷で』でシナリオを担当の伊東幸一郎、シナリオは『全裸監督』のプロデューサーのたちばな やすひとと豪華な座組みです。

特徴としては、全編通して実写のムービーでストーリーが進行すること。

基本的には実写のドラマをずっと見ていて、その合間合間にゲームプレイが挟まってくるような形になっています。例えるなら『デスカムトゥルー』とかが近いです。

ゲームの流れとしては、実写映像で事件を見る「問題編」⇨問題編で集めた手がかりを使って仮説を立てる「推理編」⇨推理編で建てた推理を使って謎を解く「解決編」の3段階に分かれています。

全体的な感想

ちなみに今回はPS5版でプレイしました、

(おそらくどのハードでもほとんどプレイ感に違いはないかと思いますが…)

感想をざっくりとまとめると、

 

良かった点

①ストーリー

②音楽

③役者さんの演技

④マルチロール

⑤推理パートのビジュアル

⑥解決編ハズレ時の映像

 

微妙だった点

①テンポ感

②操作感

③最後の犯人当て

 

その他

①推理の難易度

②最終章について

 

こんな感じになります。

1点ずつ見ていきます。

良かった点

①ストーリーについて

ストーリーは良かったと思いました。ゲーム内全体で一本の話として繋がっているだけではなく、その話ごとの事件も引きがあって推理するのが面白いような内容でした。

話として、好きだったのは1章と3章でした。

 

②音楽について

印象に残る音楽が多かったです。作品の雰囲気に合っていました(語彙なし)。

 

③役者さんの演技

どの役者さんも演技が上手かったので、飽きずに見続けられました。

ドラマパートの尺が長いときに演技が下手だったらもっと退屈だったと思います。

 

④マルチロール

このゲームでは、一人の役者さんが何人もの役をやっています。

この役者さんがやってるキャラならこういう性格かな〜とか、うまくミスリードとして機能していたので良かったです。むしろ、これをやりたいゲームだったのではと思いました。

 

⑤推理パートのビジュアル

主人公の決め台詞として「論理の道がつながった」というセリフがあるのですが、

推理パートを終了する際に、今まで仮説を立てて推理を整理していたパネルをはめこむ部分(下画像参照)が発光し、カメラが奥に向かって空間を進んでいくのですが、

これはセリフとビジュアルが対応しているようでニヤリとできました。

パネルの和の文様と言い、推理編のデザイン全般は好きでした。

公式サイト(https://www.jp.square-enix.com/retrotica/system/)から引用

 

⑥解決編ハズレ時の映像

解決編で外れたときも、こういう理由でそれは違うでしょということを若干ギャグ調で指摘してくれます。自分の推理を軌道修正できるうえに、みんなが困惑する演技が見れます。

逆転裁判』で間違えた証拠品を突き付けた時みたいにワンパターンではなく、ちょっと楽しい。

微妙だった点

①テンポ感

ドラマパートが基本見るだけ(たまに▲ボタンを押すタイミングがある)くらいなので、事件が起きるまでは退屈しがち。

結局推理編で問題点を整理するので、問題編のドラマパートは適当に流し見しやすい作りになっていそうです。

一応合間合間で選択肢を選ぶみたいなゲーム要素が挟まりますが、茶を濁す程度にしか思えず、1話ごとにドラマパートが1〜2時間あるのでぼーっと見てるだけも結構長かったです。

また、やり直しの際(推理が失敗した際)に選択肢を選ぶところからリトライさせてくれれば良いのに、推理画面からやり直しなので面倒臭かったです。

 

②操作感

これはプレイした人は全員言っていると思いますが、コントローラでの操作が異常にやりにくいです(特に推理パート)。PC向けをベースに作っていそう…。

 

③第5話について

これは賛否両論あると思うし、ネタバレになると思うので具体的には言及できませんが第5話のシステム自体が好みではないタイプなので、微妙でした。

それまでの第4話までのシステムは好きでした。

その他感想

①推理の難易度

1つの割とわかりやすいとっかかりから事件を解決できることが多かった印象です。

ちゃんと消去法で選択肢を潰していけば絞れたので、自分としては程よい難易度でした。

 

②最終章について

最終章の開始の仕方がメチャクチャわかりにくいです。

事前に知らないと見逃すレベルなので、これは気を付けてほしいです。

始められる段階になったらスタート画面の下のほうから入れます。

マルチロールの部分でも書きましたが、この展開はあって然るべしだというのが待っていてボクは割と好きでした(逆に読めてしまった感があったので、この項目は好きな点ではなくその他の項目にしましたが…)。

オススメできる人

・PVやプレイ動画を見て、面白そうだと持った人はまぁ裏切られることはない素直なゲームでしたので、PVを見ていいね!となればオススメできます。

・特に推理小説好きや推理ゲームが好きな人はオススメできると思います。(今気づいたけど同じ人が色々な役をやるのはもしかして、TRPG的(人狼ゲーム的)な要素を入れてその手のファンも取り込みたかったのでしょうか、そういう意味ではファン層を考えると実写で作ったのは効果的かもしれない)。

↓プレイ動画参考(実写が好きな層にオススメできるのにVtuberの実況をオススメするのか…(困惑))

youtu.be

また、ジャンル名で「新本格」を謳ったり、綾辻行人にプレイ感想を話してもらったりしているのもありミステリ小説ファンが一番想定されているファンなんだろうなとは思います。

ADVファンは言わずもがなオススメ。

終わりに

冒頭で書いた通り、全編実写で犯人当てをやる推理ゲームということで新しいことに挑戦しているゲームであると思います、『デスカムトゥルー』よりは自信を持ってオススメできます!

ディレクターの伊藤さんはADVをもっと広めたいということなので、ADVファンじゃない人こそこのゲームをやってほしい、ボクもそんな気持ちです。

 

伊東さんと打越さんが対談してADVゲームについて、いろんなことを話しているので下の記事を合わせて読むと楽しくなれます(二人のベストADVトップ5が全然違くて面白い、それが作風に出ている気もします)。

jp.ign.com